現在主流の「心の哲学」の嘘を暴く!! 哲学的ゾンビ



 心と存在


「心の哲学」の嘘を暴く!!


 




哲学的ゾンビ



チャーマーズによると


1、物理主義では

我々の世界と同一でありながら

意識、クオリア、経験、感覚を全く欠いた人間(哲学的ゾンビ)が

集まった世界(ゾンビワールド)が論理的に存在可能である


2、しかし、我々には、意識、クオリア、経験、感覚が

備わっているという事実がある


3、こうした事実は

物理的事実とは異なる我々の世界に関する事実である


4、ゆえに世界の全ての現象(とくに心)を

物理法則によって説明ができるという

物理主義(唯物論)は「偽」である


といいます



これは「ゾンビ論法」と呼ばれています






「哲学的ゾンビ」とは、見た目には

普通の人間とまったく同じで、喜怒哀楽の感情を示すが

そのさい、楽しいの「ウキウキ」とした感覚も

怒りの「ムカーッ」とした感覚も全くない


つまり意識(クオリア)が全くない

ただの物理的・化学的・電気的反応の集合体だといいます




また、哲学的ゾンビには

行動だけでは普通の人間と区別できないが

解剖すれば人間との違いが分かる「行動的ゾンビ」と


観測可能な物理的構造(脳の神経細胞の構造)まで

人間と区別する事が出来ないが

現象意識(心)が欠如している「神経的ゾンビ」がいて


ふつう哲学的ゾンビといえば「神経的ゾンビ」をさすといいます



そして「なぜ我々は哲学的ゾンビではないのか」

「哲学的ゾンビは存在可能なのか」などを考えることが

「心の哲学」のテーマの1つとなっているそうです






しかし、「ゾンビ論法」というのは

ひとことでいうと

我々には意識がある→

だから、物理主義は「嘘」である

という飛躍した話で


一番肝心な

「我々には、意識がある」の『意識』が

物理主義を超越した意識であること

物理的・化学的・電気的な反応を超越した意識であること

の論理が抜け落ちています(笑)




【 物理主義とは、物理学が進歩していけば

心についても、物理学の言葉で説明できると考える立場である


物理主義=唯物論と、心の哲学では考える



唯物論とは、心(意識)は

脳という高度に発達した物質より、派生的に存在するもの

と考える立場である 】



つまり、物理主義も、唯物論も

「意識」なり「心」なりがあることを前提としています




その上で、物理主義や唯物論が「偽」というなら

我々の『意識』が

物理主義を超越した意識であること

物理的・化学的・電気的な反応を超越した意識であること

の論理的な証明がなければ、お話にもなりません






外界にアクセス → 刺激(情報) →

それに対する反応(感情) → 表情


このシステムによって

人が人として成立していることで明らかなように


表情があって感情がない「哲学的ゾンビ」

なんてナンセンスもいいところです




そもそも「心」も

物質と物質(分子と分子・原子と原子)の反応で生じている

物理的・化学的法則、あるいは電気的法則に従っている

とすれば


そもそも我々は「哲学的ゾンビ」だってことになりますよ(笑)





我々は、納豆食べて「うまい」と思いますが

それは子供のときから食べつけてきたからでしょう


もし、初めて納豆が出されたら

「こんなモノ食えるの?」 「これって食べ物?」となるはずです


猫に納豆やっても食べませんよね



≪心がある≫といったって

心というものが

我々のシステムの刺激に対する反応として

物理的法則に従った結果、生じているとしたら


チャーマーズが前提とする

「心」という存在の内容が間違っている ということになります





チャーマーズの「ゾンビ論法」というのは

物理主義を超越した心が、実体としてあることを証明した

なんて話ではなく


逆に、心の存在すら怪しいことを

証明しているのです(笑)




1、物理主義では、心をもたない哲学的ゾンビが存在可能


2、我々には「心がある」という「心」(感覚や経験)が備わっている


3、ならば、その「心がある」という「心」は

物理的法則に従って生じている「心」である可能性すらある


4、ゆえに、心(チャーマーズら心の哲学者が想定する

物理主義を超越した心)が存在するという科学的な根拠はない



以上、「物理主義を超越した心がある」という話は怪しい

ということです




機能的意識と現象的意識




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