現在主流の「心の哲学」の嘘を暴く!! スワンプマン



 心と存在


「心の哲学」の嘘を暴く!!


 




スワンプマン



アメリカの哲学者

ドナルド・デイヴィッドソン(1917~2003)が1987年に考えた


同一性やアイデンティティを考える上の

思考実験に「スワンプマン」(沼男の意味)というのがあります



≪ ある男が沼にハイキングに出かけ

沼のそばで、雷に打たれて死んでしまう


ところが次の瞬間、別の雷がすぐそばに落ちると

沼が化学反応を引き起こし

死んだ男と全く同じ生物=スワンプマンを生み出してしまう


スワンプマンは原子レベルで

死んだ男と全く同じの構造をしていて

脳の状態も完全なるコピーなので

記憶も知識も全く同じであるように見える


スワンプマンは、死んだ男が住んでいた家に戻り

死んだ男の家族に電話をし

死んだ男が読んでいた本の続きを読みながら、眠りにつく

そして翌朝、死んだ男が通っていた職場へと出勤していく ≫




自分と全く同じ物質を使い

物質の量も組み合わせも

またDNAの配列も全て同じにして

自分と同じ存在を作ったとします


もちろん、そんなこと絶対できるわけないですが(笑)



そんなことしなくても

クローンで自分と同じ人間が作れるよね

と思いましたか?



クローンにとらわれてしまうのが盲点です

クローンを作ったとしても、全く自分と同じにはなりません



同じ親より挿し木して育てた植物は

全て同じ遺伝子をもつクローンですが

肥料を変えたり、違う場所(都会と山っきわ)で育てたりすると

表情(形質)が大きく違ってきます



それと同じで、自分が生まれたときに

クローンを作ったとしても

今の自分と、今の自分のクローンでは


それまでに環境から受ける作用が違うので

自分とは全く同じにならないのです




話を戻します

こうして、今の自分と、全く同じ存在をつくったとします



このとき、クオリア的なものを含めて

記憶も完全に再現されていたとしたら

どうでしょう?


心は、脳という物質に、完全に還元されると

結論づけられるはずです





またこうして仮に、今の自分と、身体ばかりではなく

記憶も心も全く同じ存在が作れたとします


すると、自分とその存在との間に

自己を規定するものってあるの?

という話になります



自己を規定するものがなく

存在が存在するわけがありません



そうなると

“霊魂”なんてのの存在が

証明されるなんてことになるかもですよ(笑)




水槽の脳




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