現在主流の「心の哲学」の嘘を暴く!! アクセス意識とサブリミナル



 心と存在


「心の哲学」の嘘を暴く!!


 




アクセス意識とサブリミナル



心理学においては、意識=心とは

知(知覚)・情(感情)・意(意思)と、定義されていますが


心の動きは、それぽっちではありませんよね


欲求も、衝動も、理性も、意志も そうです




ドイツの哲学者 エトムント・フッサール(1859~1938)は

≪ 「あらゆる意識は、必ず何かについての意識である」≫

(この概念を志向性という) としました


心的現象は、つねに志向対象をもつというわけです




『志向性』

確かに、価値判断とは

「好み」だとか「必要性」についての判断なので

志向性そのものです



では、知覚・認識についてはどうですか?

やはり「何か」についての知覚・認識と言えます




ただ、視覚でとらえている全てのことに

意識が向けられているわけではないですよね



例えば、電車でとびきりの美人に出会ったとします


あとで、その美人のことは覚えていても

周囲にいた人たちのことなど

うる憶えというか全く覚えていませんよね


覚えていない以前に

そもそも意識もしていないから、脳に記録されていないのでしょう



こうしたことから

対象に、注意が向けられ (=志向性)

言語化されたり、記憶に残ったりする意識を

「アクセス意識」と呼んで区別することもなされています








≪サブリミナル効果≫とは


知覚できないほどの速度や音量で

映像や音を流すと


それが

人間の無意識(潜在意識)に作用するというものです


サブリミナルとは「意識下」のことです




≪サブリミナル効果≫は

1957年、アメリカの市場調査専門家の

ジェームズ・ヴィカリという人が

映画館において、ひそかに行った実験が発端といいます



ヴィカリは

「コーラを飲もう」「ポップコーンを食べよう」

と書いたメッセージのフラッシュ映像を

映画に混ぜて見せたところ


コーラは、18.1%

ポップコーンにおいてはなんと、57.5% 60%近くもの

売り上げ増加が認められたと発表し


広告業界の大物や

製造業者などに伝えました



これが世界に衝撃を与えていくことになるのです


しかし、論文が発表されなかったこと

再実験で証明できなかったことなど

不審な点が次々に明らかになります



結局、ヴィカリは、コンサルタント業に失敗し

1962年、ついにサブリミナルは

破綻しそうな自分のコンサルタント業を

救済するためのでっちあげであったことを認めます




こうして今では、サブリミナルは

疑似科学の一種でしか考えられていませんが

サブリミナル広告は、今なお各国で禁止されています



イギリスでは1957年以来

アメリカは1970年代に禁止となり


日本でも1999年に

サブリミナル効果を狙った映像を放送することが

全面禁止にされています


〔1995年に日本放送協会(NHK)

1996年に日本民間放送連盟が

サブリミナル的表現方法を禁止することを明文化〕



サブリミナルは

消費者に商品をはっきり示さないわけですから

消費者をだます宣伝手段である

といったこともありますが


それよりも今だに「サブリミナルは、洗脳効果が大きい」

と信じられているからです




サブリミナル自体に

洗脳効果なんてないのに


「サブリミナルは洗脳効果が絶大である」

と信じているのですから


洗脳を恐れて、洗脳まるだし というパラドックスにあり

人間というものの本質をよく示しています





それはともかくもサブリミナルを仮に

「真」として分析していくと



ヴィカリの報告によると、数週間で

4万5千人に対して実験的に行われたそうで


ポップコーンの映像は、視覚で認識できないので

気付いた人はいなかったといいます



ポップコーンの映像に気づいた人がいなかった

というのは

意識のレベルのことで


無意識(潜在意識)の領域では知覚していた

ということになります




また、テレビコマーシャルのように

意識に働きかけるものよりも

無意識に作用するサブリミナルの方が

ずっと宣伝効果が大きいということになるわけです




サブリミナルというのは

意識的には、視覚でとらえていない=見えていない

モノやコトでも

無意識的には、視覚でとらえている

という話になるので

そもそもバカバカしいのですが



もし、我々の無意識(潜在意識)に

そのような認識能力があったとしたなら


我々のアクセスしている対象は

「志向性」とか「アクセス意識」とか

といった範囲にとどまらない

ということになり、興味深いところではありました






とはいえ、記憶というのは

ネットワークとしてつながっているのですから


言葉によって

サブリミナル的なことはおきている可能性はあるかもしれません





例えば、女性とのデートで

会話にセックスを連想させる言葉を入れる


「こないだ雨にあって、傘もってなくて

シャツがびしょびしょに濡れちゃったよ」とか


「帰りに、生のいちごが

たくさんのったパフェを喫茶店で食べたよ」とか


「こないだ歌舞伎のチケットもらってさ

歌舞伎を初体験してきたよ」とか


「チキン焼いてさ レモン汁かけておいしかったよ」とか


「あんまんより、ジューシーな肉まん、食べてぇ」とか


「こないだラグビーの試合、スタンド総立ちだったよ」とか


「昨日はお刺し身に冷奴を食べたよ

冷奴 この時期 いっちゃいますね!!」とか





すると、脳では

記憶がネットワークのようにつながっているので


女性の無意識は

≪びしょびしょ≫とか ≪濡れる≫とか

≪生≫とか ≪初体験≫とか ≪レモン汁≫とか

≪肉まん≫ ≪総立ち≫とか≪いっちゃう≫とかいう言葉から


セックスのイメージを一瞬、フラッシュバックさせる


【 フラッシュバック~ 過去の体験が

突然、明確な感覚として思い出される心理現象 】



このサブリミナル効果によって

女性をホテルに連れ込みやすくなるとか

いったことは可能なのかもしれません






これには

「関連性理論」なんかも関係しているのと言えます



「関連性理論」とは

フランス人の人類学者、言語哲学者

ダン・スペルベル(1942~・フランス国立科学研究センター職員)と

言語哲学者でロンドン大学教授の ディアドリ・ウィルソン(1941~)が

唱えたもので



言葉には、≪文字通りの意味≫と

≪推論から生れる意味≫がある


我々は

≪相手の言葉は、置かれている状況に

もっとも関連する言葉として語られている≫

と考えて

推論によって、意味を判断している というものです



例えば

「コーヒー入れます?」という問いかけに

「コーヒー飲むと眠れなくなるからね」と答えると

相手は「いらないんだ」と推論する といったことです





本来のサブリミナルというのは

意識では、知覚できないレベルの情報だからこそ

無意識がイメージをつくれるということですが




意識では、連想できないレベルの情報だからこそ

無意識においてイメージをつくれる


瞬間的に語られた情報だからこそ

無意識による連想が可能である


というサブリミナル効果は、存在するかもしれません




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