現在主流の「心の哲学」の嘘を暴く!! 人間も電気で動く



 心と存在


「心の哲学」の嘘を暴く!!


 




参考資料




人間も電気で動く



現代文明は、電気信号を用いて通信し

電気信号を用いて情報処理を行っています


これと同じように、人間のニューロン(神経細胞)は

電気信号(インパルス)を用いて情報伝達を行っています



神経細胞は、感覚器官からの

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの情報を

電気信号にかえて、脳に伝達する


脳は、それらの情報を処理し

次の行動を決定し電気信号の命令を出す


これが神経細胞を通じて、筋肉に伝えられます





人間も電気によって動いています

譬えると、手や足の先まで、くまなく「電線」が走っています


脳の中には「回路」がぎっしりと組み込まれています


脳は電気的信号を発する無数の神経細胞で形作られた

ネットワークであるといいます



このため、身体を流れる電気の状態を調べることで

体の具合が分かったりもします


脳波という脳の電気信号や、心臓の動きによって生じる

電気信号を心電図として描くことによって

病気を調べることができるのです





人間は、活動するためのエネルギーを

「電圧」(電気を押す力)を使って生み出しているのだそうです


このため、動力とついては、ロボットとそれほど違いがない

という科学者もいます



しかし、我々の身体は

コンセントにつながっているわけでもなく

充電する仕組みをもつわけでもないのに、不思議ですよね





まず、重要な点は

電気とは、電気(電荷)をもつ物質(イオンなど)が

動くことによって生じる物理現象の総称であり


「電子」ではない「電荷を持つ物質」が動いても

そこに電圧が生じ、電流が生じ「電気」が生じるということです



そして、生物の電気の多くは、電子由来ではないということです






動物の細胞膜はリン脂質の二重層からできていて

その細胞膜に突き刺さる形で存在する

「膜タンパク質」というものがあります



膜タンパク質には、様々なものがあるようですが

大きく、受容体(レセプター)

トランスポーター(イオンポンプ)

イオンチャンネル の3つに分かれます




受容体は、特定の刺激を持つ分子と結合するタンパク質で

刺激を「鍵」とすると、受容体は「鍵穴」であるといいます


細胞の表面には多数の受容体があり

受容体の情報が

信号として伝わっていきます


舌にある甘味・旨味・苦味センサーも受容体の1つです




トランスポーターは、細胞内のイオンの濃度を調整するポンプです


3つのうち、イオンチャンネルが、電気を発生装置です



イオンとは、電気を帯びた原子や分子のことです


私たちの身体に存在するイオンには


プラスイオン(陽イオン)としては

ナトリウムイオン、カリウムイオン

カルシウムイオン、マグネシウムイオンなど


マイナスイオン(陰イオン)としては、塩化物(塩素)イオン、硫酸イオン

炭酸イオン、リン酸イオンなどが、知られています




イオンチャンネルは、刺激に応じて開閉、しイオンを通過させます


一種類のイオンのみ選択的に通過させるイオンチャネルもあれば

多くの種類の陽イオンを通すイオンチャネルも存在し


イオン選択性により、カリウムチャネル、ナトリウムチャネル

カルシウムチャネル、陽イオンチャネル

塩素イオンチャネルなどと呼ばれます



さらに、カリウムチャネルには

カリウム漏洩(ろうえい)チャネルなどいろいろな種類がある

といったように、イオンチャンネルは、単純ではなさそうです






トランスポーター(イオンポンプ)と

イオンチャンネルの違いをまとめておくと



ポンプは、エネルギー(ATP)を使って、濃度勾配に逆らって

物質を濃度の低い側から高い側に輸送=能動輸送➝

濃度差は維持



チャンネルは、エネルギーを使わず、濃度勾配に従って

物質を濃度の高い側から低い側に輸送=受動輸送➝

濃度差は時間とともに小


ということになります





それぞれのイオンの濃度は

細胞の内と外では異なり、厳密に保たれています


例えば、ナトリウムイオンは、細胞外の方が10倍程度多く

カリウムは、細胞内の方が40倍程度多く

カルシウムについては、1万倍以上も

細胞外の方が多く保たれているといいます



このバランスはとても大切で

例えばカリウムを、血中(=細胞外)に静脈注射すると

人間は、簡単に死に至るそうです



なお、細胞外液の成分と海の成分は極めて似ていて

我々生物の進化の歴史を物語っているそうです




血液中のイオン濃度を保つのには

トランスポーターと呼ばれる

ポンプの働きをする膜タンパク質が役割を担っていて


例えば「Na-Kポンプ」は

ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれるエネルギー物質を使って

3つのナトリウムイオンを外へ、2つのカリウムイオンを内へ移動させます



その結果、細胞外にはナトリウムイオンが多く

細胞内にはカリウムイオンが多いという状態が、つねに作り出されています




一方、カリウム漏洩チャネルは、常時、開かれています



イオンポンプによって、つねに濃度差が作り出されているということ

そして、カリウム漏洩チャネルが、常時、開かれているということは


その濃度差(濃度勾配)に従って

カリウムイオンが、チャネルを通って

常時、細胞外に移動していくということです



電気とは、電気(電荷)をもつ物質(イオンなど)が

動くことによって生じる物理現象なので、そこに電気が生じるのです



つまり、濃度勾配=電気 ということです







但し、細胞は外側がプラス、内側がマイナス

で、保たれているので

細胞としては、物質の濃度の差(濃度勾配)だけでなく

電気的な勾配も考えなくてはなりません



つまり、イオンという物質の場合は

プラスかマイナスの電荷を持っているため

それも考慮にいれなければならないということです




ある程度の量のカリウムイオンが流出すると

細胞内は、負の状態になります


すると、負の状態になった細胞は

陽イオンであるカリウムイオンを引きつけます


その結果、細胞内のカリウムイオンは細胞外へは移動しなくなります


こうして濃度勾配と電気的勾配のつり合った状態を

「平衡電位」といいます



但し、移動が完全に止まったのではなく

流出量と流入量が等しくなり

見かけ上、移動が止まっているだけなのだそうです



動物細胞の静止膜電位は

この平衡電位に、ほぼ等しいそうです



「静止膜電位」とは

すべてのイオンポンプとイオンチャネルから作り出される

細胞膜内外のイオンの分布の差です







通常の細胞の膜電位は

あまり変化しないそうですが

ニューロン(神経細胞)や、筋肉細胞は

膜電位を、静止膜電位から


活動電位へと素早く大きく変化させる仕組みを持っていて

「興奮性細胞」と呼ばれています




神経細胞が信号を受け取ると

膜電位が、プラスの方向に動き

この動きが、ある一定の電位を超えると

カリウムチャネルが閉じ

ナトリウムチャネルが開いて、ナトリウムイオンが 細胞内に入っていきます




これにより、細胞内の電位が上昇(活動電位)すると

それを元に戻そうとカリウムチャネルが開き

カリウムイオンが、細胞膜の外側へ出ていき

同時に、ナトリウムチャネルが閉じ、静止膜電位に戻ります



以上の状態が、神経細胞を伝わっていくことで

情報が伝達されていくそうです







なお、味センサーには、受容体のセンサーの他に

イオンチャネルのセンサーのものもあります



甘味(糖の検出)、旨味(アミノ酸の検出)

苦味(タンニンなどの苦味成分の検出)は、受容体によるもので


酸味(水素イオンの検出)

塩味(ナトリウムイオンなどの陽イオンを検出)は

イオンチャネルによるそうです



塩味のイオンチャンネルは、ふだん閉じていて

塩味がきたら、ナトリウムイオンなどが通るよう

制御されているといいます




受容体の場合は、味物質が結合すると

細胞内に化学反応がおき

その結果、イオンチャネルが制御され

細胞膜内外の電位の逆転がおこり

味細胞を興奮させ

神経に信号を伝えるしくみになっているそうです



このため、細胞へのイオンの出入りを直接調節することで

味細胞を興奮させるイオンチャネルに比べると

情報の伝達が遅いといいます




また、辛さは、痛覚や温度覚で感じ取る味とされます

つまり辛味は、厳密に言うと味覚によるものではなく

感覚だといいます



この辛味のセンサーもイオンチャネルです


「辛さ(=熱さ)や、しょっぱさは

本来、生き物にとって避けるべきものである

素早く伝達するために

イオンチャネルで対応しているのではないか?」

とも考えられています




神経細胞のしくみ




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